【犬の健康】肥満を防ぐ!1日に必要なカロリーの計算方法
腹八分目に医者いらず
「お腹周りがちょっと気になる…」
「なんだか動きが鈍くなってきた…」
もしかしたら、それは太り始めたサインかもしれません。
犬の肥満は、人間と同じように様々な病気(例: 関節炎、糖尿病、心臓病など)のリスクを高めてしまいます。
愛犬の健康を維持し、病気を予防するためには、適切な食事管理が不可欠です。
その中でも、カロリー計算は非常に重要な役割を果たします。
1日に必要なカロリーを計算し、理解することで年齢、体重、活動量に合わせた最適な給餌量を把握することができます。
この記事では、犬の健康を守るための第一歩である、1日に必要なカロリーの計算方法を分かりやすく解説します。
愛犬の情報を用いて計算していただく前に、まずは各ステップごとに記載する例と同一の結果となるかをご確認いただけますと幸いです。
同一の結果となるかを確認することで計算方法に誤りがないことを確認できます。
今すぐにでも1日に必要なカロリーの計算がしたい!という方は以下のツールをご使用ください。
ステップ1: 安静時のエネルギー要求量(RER)を計算する
安静時のエネルギー要求量(RER: Rest Energy Requirement)とは、安静状態の犬が生命維持に必要な最低限のエネルギー量を指します。
以下の計算式で求めることが可能です。
- RER(kcal/日) = (体重kg)^0.75 × 70
- kcal/日: 1日あたりのキロカロリー
- (体重kg)^0.75: 体重の0.75乗
- × 70: 犬の基礎代謝量を推定するための係数
例: 体重5kgの犬の場合
- RER = (5)^0.75 × 70 = 234kcal/日
ステップ2: 推定エネルギー要求量(DER)を計算する
推定エネルギー要求量(DER: Daily Energy Requirement)とは、犬が1日にどれくらいのカロリーを必要とするかを指します。
以下の計算式で求めることが可能です。
- DER(kcal/日) = 安静時のエネルギー要求量(RER) × 活動係数
活動係数
活動係数は犬の活動レベルによって異なり、おおよその目安は以下の通りとなります。
特に子犬については、犬種や個体差により異なりますので、ご注意ください。
- 子犬
- 0ヶ月齢〜3ヶ月齢: 3.0~3.5
- 4ヶ月齢~9ヶ月齢: 2.5~2.7
- 10ヶ月齢~成長がほぼ完了する時期: 2.0~2.3
- 小型犬: 10ヶ月齢~1歳
- 中型犬: 10ヶ月齢~1歳半
- 大型犬: 10ヶ月齢~2歳
- 超大型犬: 10ヶ月齢~2歳半
- 成犬
- 避妊・去勢済み: 1.6
- 未避妊・未去勢: 1.8
- 非常に活発(ドッグスポーツなど): 2.0
- シニア: 1.2~1.4
- 小型犬: 10歳以上
- 中型犬: 9歳以上
- 大型犬: 7歳以上
- 超大型犬: 5歳以上
- 肥満傾向: 1.2~1.4
- 妊娠中: 3.0
- 授乳中: 4.0~8.0
例: 体重5kgの避妊済みの成犬の場合
- DER = 234kcal/日 × 1.6 = 374kcal/日
ステップ3: 給餌量に換算する
与えているフードのカロリー表示(100gあたりのエネルギー量など)を確認し、1日に与える量(g)を計算します。
以下の計算式で求めることが可能です。
- (DER × 100) ÷ (フード100gあたりのエネルギー量 ÷ 100)
例: フードのカロリーが350kcal/100gの場合
- (374 × 100) = 37400
- DERに100を掛ける: 374kcal × 100g = 37400kcal/g
- フードのカロリー表示(kcal/100g)をそのまま使えるようにするために単位を変換
- 37400 ÷ 350 = 106.85
- フード100gあたりのエネルギー量で割る: 37400kcal/g ÷ 350kcal = 106.8571428571429g
- 同じ単位(kcal)が打ち消しあって求める単位(g)だけが残る
まとめ
以上の3ステップを踏むことで、350kcal/100gのフードのみを体重5kgの避妊済みの成犬に与える場合は、約106gと算出できました。
個体差や活動量によって必要なカロリーは異なるため、かかりつけの獣医師や専門家へご相談いただけますとより正確に把握できます。
また、トレーニングトリーツ(トレーニング中のおやつ)やデンタルトリーツ(デンタルケア用のおやつ)などを与えている場合は、カロリーオーバーを防ぐために、計算に含めることも忘れないでください。