【犬の健康】愛犬の狂犬病ワクチン、「毎年」は日本だけ？科学が示す“本当の”免疫期間

狂犬病ワクチン、なぜ毎年打つの？

こんにちは！大切な家族の一員であるワンちゃんとの毎日、いかがお過ごしですか？
さて、毎年春になると動物病院から「狂犬病予防接種のお知らせ」が届きますよね。
飼い主さんの義務として、多くの方が毎年接種に連れて行かれていると思います。

でも、ふとこんな疑問を感じたことはありませんか？

「どうして毎年接種しなきゃいけないんだろう？」
「海外では3年に1回が主流って聞いたけど、本当？」

今回は、そんな飼い主さんの素朴な疑問に、科学的な視点と日本のルールを交えながら、やさしくお答えしていきます！

「毎年1回」はなぜ？日本の大切なルール

まず、結論から。
日本で毎年1回の狂犬病ワクチン接種が義務付けられているのは、「狂犬病予防法」という法律で定められているからです。

狂犬病は、発症してしまうと治療法がなく、致死率がほぼ100%という、とても恐ろしい病気です。この病気のまん延を防ぎ、人とワンちゃん両方の命を守るために、国は厳しいルールを設けています。

日本は世界でも数少ない「狂犬病清浄国」ですが、いつ海外からウイルスが入ってくるかわかりません。
万が一国内で発生したときに、社会全体のワンちゃんの免疫レベルが高ければ、大流行を防ぐことができます。
つまり、毎年1回の接種は、愛犬を守るだけでなく、社会全体を感染症から守るための、とても重要な役割を担っているのです。

「免疫は3年続く」はホント？科学的な世界の常識

一方で、「ワクチンの効果はもっと長く続くのでは？」という疑問ももっともです。
実は、科学の世界ではその通りであることが証明されています。

実際に、権威ある学術論文でも、「一度ワクチンを接種した犬の多くは、病気と戦う力（抗体）が3年以上も十分なレベルで維持される」と報告されています。

世界の専門家たちの考え

こうした科学的根拠を基に、世界の獣医療のスタンダードは少し異なります。
例えば、

• 世界小動物獣医師会（WSAVA）
• 米国獣医師会（AVMA）

といった世界的な専門家団体は、「初回の接種と1年後の追加接種を終えたら、その後は3年に1回の接種で十分な免疫が期待できる」というガイドラインを示しています。
これは、不要なワクチン接種を減らし、ワンちゃんの体への負担を軽くしようという考え方に基づいています。

じゃあ、結局どうすればいいの？

「科学的には3年有効なのに、法律では毎年接種…？」と、少し混乱してしまうかもしれませんね。
大切なポイントを整理しましょう。

日本に住んでいる私たちは、日本の法律に従う必要があります。
科学的に免疫が持続する可能性があったとしても、法律で定められた義務を果たさなければなりません。

【最重要ポイント】
日本では「狂犬病予防法」に基づき、生後91日以上の犬は、毎年1回の狂犬病ワクチン接種が義務付けられています。
これは、愛犬と社会全体の安全を守るためのルールです。必ず守りましょう。

もちろん、「うちの子は高齢だから、毎年の接種が体調に響かないか心配…」と感じる飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
そうした不安がある場合は、自己判断で接種をやめるのではなく、必ずかかりつけの獣医師さんに相談してください。
健康状態をしっかりと診てもらった上で、最善の方法を一緒に考えてくれるはずです。

今日のまとめ

最後に、今回の内容を簡単におさらいしましょう！

• 狂犬病は、発症するとほぼ100%命を落とす恐ろしい病気です。
• 日本では「狂犬病予防法」により、年1回のワクチン接種が義務付けられています。
• 科学的には、ワクチンの免疫は3年以上持続することが多くの研究でわかっています。
• 法律を守ることは大前提！その上で、愛犬の健康について不安があれば、必ず獣医師さんに相談しましょう。

愛犬と私たちの安全な暮らしを守るために、正しい知識を持って、ワクチン接種と向き合っていきたいですね！