【犬の健康】多くの飼い主が見落としがちな正しいハーネスの知識。あなたの愛犬は本当に大丈夫?
あなたの愛犬、ハーネスで苦しんでるかも?本当に正しい選び方とは
愛犬との散歩に欠かせないハーネス。
「首への負担が少ないから」と選んだそのハーネス、実は愛犬を苦しめているかもしれません。
愛犬の健康と安心を守るために正しい知識を一緒に学んでいきましょう。
まずは知っておきたい、ハーネスの種類と特徴
ハーネスと一口に言っても、実は形によって愛犬の体への影響が大きく異なります。
代表的な3つのタイプが持つ構造的な特徴と、それがもたらすメリットや注意点を解説します。
- Y字型
首の付け根と胸骨で支える構造で、肩周りがオープンになっています。
ある研究では、犬の肩甲骨の動きを最も妨げにくい形だと報告されています。 - H字型
首と胴体をそれぞれループで囲み、背中と胸のストラップで繋ぐ構造です。
体をしっかりホールドしてくれますが、胸前のストラップが肩の動きを妨げることも。 - フロントクリップ型(前掛け型)
リードを胸の前側にあるリングに取り付けるのが最大の特徴です。
引っ張ると体が飼い主の方へ向きやすくなるため引っ張り抑制効果が期待できますが、その動きが肩関節に負担をかける可能性も指摘されています。
近年の研究では、歩行への影響が最も少ないのはY字型であるという見方が主流になっています。
もし、引っ張り癖が非常に強いなどの特別な理由がなければ、まずは愛犬の体に負担をかけにくいY字型から検討してみるのが良いでしょう。
合わないハーネスは歩き方を歪ませる
体に合わないハーネスを装着すると、犬の歩幅が最大15%も狭くなることが分かっています。
関節への負担となるため、骨格が発達途中の子犬は特に注意が必要です。
ハーネス選びで後悔しないための5つのポイント
見た目のかわいさや価格だけで選んでしまうと、「こんなはずじゃなかった」と後で悔やんでしまうことも。
そうならないために、必ず確認するべき5つのポイントを、優先順位の高い順にご紹介します。
- 体との隙間は「指2本分」
基本中の基本です。
締めすぎは皮膚の擦れや歩行障害を、緩すぎは「すっぽ抜け」による事故を引き起こします。 - ストラップの位置を確認
装着した時に、ストラップが前脚の付け根や脇の下に食い込んでいないか必ずチェックしましょう。 - 肌に優しい素材を選ぶ
内側がメッシュ素材など、通気性が良くクッション性のあるものは、皮膚への負担を軽減します。 - サイズ調整機能は必須
複数の箇所で細かく調整できるタイプを選びましょう。特に成長期の子犬は体がどんどん変わります。 - 夜間のお散歩には反射材を
暗い夜道では、光を反射するテープや素材が役に立ちます。できるだけ使われているものを選びましょう。
愛犬にジャストフィットさせる調整方法
難しそうに見えますが、コツを掴めば簡単です。
正しい手順を見ていきましょう。
- 愛犬がリラックスして四本足で立っている状態を作ります。
- 胸のストラップは、肩甲骨のすぐ後ろ(指1本分くらい)にくるようにセットします。
- お腹のストラップは、肋骨の一番後ろから指2本分くらい離れた位置に合わせます。
- 最後にリードを軽く引き、ハーネスが回転したり、大きくずれたりしないかを確認します。
着けた後が肝心!3つの新習慣
私たちがお気に入りの服をケアするように、ハーネスにもケアが必要です。
愛犬が気持ちよくお散歩できるように、身につけておきたい3つの習慣を見ていきましょう。
- 装着後は10分ほど様子を見る
皮膚が赤くなっていないか、歩き方が不自然でないか、愛犬の様子を観察しましょう。 - 濡れたら完全に乾かす
濡れたまま放置すると、細菌が繁殖し皮膚病の原因になります。洗濯の後も要注意です。 - 夏場はこまめな脱着を
暑い時期に着けっぱなしにすると、熱がこもり熱中症や皮膚の蒸れにつながります。
まとめ:ハーネスは、愛犬とあなたを繋ぐ「命綱」
ハーネスは、「ただ着ければ安全」という魔法のアイテムではありません。
愛犬の骨格や歩き方の個性、その日の体調に合わせて正しく選び、正しく調整してこそ、真価を発揮します。
「ちょっと面倒かな?」と感じる日々のフィッティングチェックや観察が、愛犬の健康と安心を守ります。
愛犬とのお散歩がもっと楽しく、もっと安全になるように、ぜひ今日から実践してみてくださいね!